読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

神経内科医ちゅり男のブログ

「気ままに、ほどほどに」がモットーのゆるい神経内科医が日々の気づきを書いていきます。ただそれだけですが、よろしく。

ETFは非常に優れた金融商品だが、弱点はあるのか?

ETFは手数料の面や、選べる商品ラインナップの豊富さという点において、非常に優れた金融商品であることは当ブログで以前にも書いてきた。

では、そんな優れた金融商品であるETFにも弱点はあるのか?

あるとすれば、優良銘柄バイアスではないだろうか。

f:id:shinkei807:20170319053904j:plain

 ETFの商品性質上避けられない、優良銘柄バイアス

優良銘柄バイアスとは、ETFの商品性質上、ETFを購入する≒時価総額の大きな優良企業を中心とした投資にならざるを得ないということ。

とはいえ、いきなり優良銘柄バイアスと言われても元々投資に詳しい人でないと理解できない可能性もあるため、今日は具体歴を挙げて考えてみよう。

 

セクターETF vs セクター中の10社の個別株投資の例

例えば、エネルギー系全体に投資するセクターETFと、エネルギー系の企業のうち、自らが厳選した10社に投資するケースで考えてみよう。

1. 参入するタイミング

以前から繰り返し書いていてくどいようだが、投資で最も重要なことはいかに安値で仕入れるかである。

安値で仕入れることができれば、その投資で勝つ確率はそれだけで大幅に高まる。

よって、理想的な参入タイミングとしてはそのセクターの株全体が大きく値を下げている時期となる。

 

2. そのセクター全体が大きく値を下げている原因は何か?

次に、そのセクター全体が大きく値を下げている原因を考える。

ポイントは、セクター全体に蔓延する不祥事やスキャンダルなど、企業体質が問題で値を下げている場合には参入しないこと。

当たり前のことだが、企業体質に問題があって株価を下げている場合、企業自体がつぶれて大損する可能性が高いから。

逆に、世界的な大不況に連動して値を下げている場合で、企業体質自体は優良である場合には買いの可能性が高い。

景気に山谷があるのは当然で、大きな景気の谷の後も、時間はかかるものの必ず株価は復活してきたことは過去のチャートを見れば一目瞭然である。

実際、リーマンショック後の世界経済も、数年間かかったものの力強く回復してきたわけだ。

 

3. 実際にシミュレーションしてみる

自己資本10万円としてシミュレーションしてみる。

 

1) エネルギー系セクターへのETF投資の場合

例えば、エネルギー系セクター全体に投資するETFが、世界大不況の影響で2000円から1000円に値を下げたため、100口購入した(10万円購入)

幸い、半年後に1500円まで回復したため、そこで100口全て売り抜けたとして、利益は500 x 100 = 5万円(50%増)となる(単純化するため手数料などは省略)。

 

2) エネルギー系企業10社に個別株投資をした場合

大企業:A, B, Cの3社

中規模企業:D, E, Fの3社

小企業:G, H, I, Jの4社

に分けて考える。全ての会社に1万円ずつ投資したと仮定しよう。

 

1)のようにエネルギー系セクター全体に投資するETFを購入した場合、上記のうち大企業A, B, Cの時価総額が8割以上を占めることは珍しくなく、ETFの値動きは一部の大企業の株価の動きに近づく可能性がある。これが優良銘柄バイアスである。

 

・A社、B社、C社はエネルギー系の超大企業であり、1)の場合とほぼ同様に世界大不況の影響を受けた

例えば、一時期株価2000円まで売り込まれたが、2800円まで回復をした。

→初期投資30000円は42000円まで上昇した(+12000円)

 

・残りの企業のうち、D社とG社は不景気の波にのまれてつぶれてしまった。

→当然、初期投資2万円はゼロとなった。(−20000円)

 

・E社、F社、H社の3社は、一時期200円まで売り込まれたが、その後やや回復をした

例えば、一時期株価300円まで値を下げたが、なんとか400円まで回復した

→初期投資30000円は40000円となった(+10000円)

 

・I社, J社は倒産寸前まで売り込まれた(株価:20円)が、ギリギリの所で持ちこたえて株価はV字回復をした(株価:200円)。

株価は10倍に上昇したため、元の2万円は20万円となった!(+18万円)

 

 上記を全て合計すると、倒産してしまった企業が2つあるにも関わらず、I社、J社の影響でトータルとしては+182000円となっており、セクター全体へ投資するETFと比べて大きな利益が出たこととなる。

 

優良銘柄バイアスのため、ETFで個別株投資ほど大勝ちはできない

もちろん、今のシミュレーションはあくまで仮定であるため、現実の世界ではここまでうまくいくことは少ない。

しかし、ETFを購入している=時価総額の大きな優良大企業に資金の大半を投入している という考えは持っておく必要がある。

個別株投資の旨味は、上記のI社、J社のような一発逆転を狙った投資を選ぶことも可能という点にある(ハイリスク・ハイリターンではあるが)。

ただし、個別株投資をするにせよ、1社、2社の集中投資は非常に危険であるため、上記のように10社前後まで分散することによって、そのうち1〜2社で倒産があったとしてもトータルで儲けられる可能性が高くなるわけだ。

ただし、個別株投資は、各企業の財務諸表のチェックなど、購入するまでの事前学習に大きな労力がかかるため、本気で投資をやってみようという強い決意がある方以外にはおすすめできないかもしれない。

 

まとめ

・ETFを購入する=時価総額の大きな優良大企業を中心に自分の資金を投入している

→中小企業と比べると、世界大不況の局面でも比較的値動きはおだやかな可能性

→当然、ETF自体が消滅するというリスクはほぼゼロ

 

・個別株投資の面白さ=世界大不況がきた時に、ほとんど倒産寸前まで売り込まれている株をあえて選んだりして、一発逆転を狙った戦略をとることも可能