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神経内科医ちゅり男のブログ

「自分が病まない程度にほどほどに」がモットーのゆるい神経内科医が日々の気づきを書いていきます。ただそれだけですが、よろしく。

医者のキャリアについて

医者の世界

医者の良い所は、ある程度自分の意思で自分のキャリアを作っていける点にあると思う。

勤務医として働き続けるもよし、どこかのタイミングで開業するのもよし、大学に残って研究者として生きていくのもよし。

そして、どの道に進んだとしても、普通に生活していれば当面暮らしていくのに困るということは考えにくい。

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 研究者、勤務医、開業医で生涯賃金は大きく異なる

もちろん、進む道によって一生涯で得られるお金の額は大きく異なる。

大学病院に残って、半臨床医、半研究者として生きていく道は、上記の中では最も生涯賃金が少なくなるだろう。

一方、勤務医でも日赤や地方の中核病院のような三次救急医療施設に勤めるよりも、小〜中規模の私立病院に勤める方が給料は1.5倍くらい高いこともある。

経済的な面だけを考えれば、小〜中規模の私立病院に勤めることが、労働時間との対価を考えれば勤務医としてはベストだろう。

一方、小〜中規模病院では高度医療、先進的な医療に従事するチャンスはほぼ失われるので、医者としての自分の成長という点とどちらをとるか考えておく必要がある。

そして、開業医だが、これは医者というよりも経営者という側面が大きくなるため、ある程度のビジネススキルが求められる。

当然、一番重要なのは定期的に受診してもらえる患者を取り込めるかどうかだ。

となると、絶対に失敗してはいけないのは立地だろう。

周囲の競合のレベル、その位置関係、その地域の患者数や患者層などを見極めて、できるだけ勝ち目の高い場所に開業をするべきだ。

そして、親が開業医というケースを除けば、ある程度の初期投資が必要になるため、それを回収しきれるだけの十分な時間を確保することも重要。

よって、おじいちゃんになってから開業というのではリスクが高すぎる。

開業医はうまくいけば勤務医より稼げる可能性は高いが、今後開業医が飽和状態に近づいていった時に勝ち残れるかという問題は残る。

それには、地域のコミュニティの特性をよく理解して、地域高齢者と良好なコミュニケーションを築き上げる力が重要だろう。

開業医の場合、勤務医と違って最先端の医療を行うことはまず無いので、医者としてのスキルよりもコミュニケーション力とビジネススキルがものを言うことは間違いない。

このあたりを理解せずに、勤務医として自分の医者スキルに自信があるという理由だけで開業すると失敗する可能性が高いだろう。

開業医もあくまで自分の時間を切り売りしているビジネスなので、基本的には長時間働いてたくさん患者さんを診るほど利益が得られるシステムだ。

逆に言えば、自分(院長)が体調を崩して働けなくなれば、その会社は倒産するリスクが非常に高く、勤務医の時よりもいっそう自分の健康に留意する必要が出て来る。

 

医者のキャリアまとめ

上記を総合して考えると、

1. 研究者としてやっていきたい場合→大学病院に残るしかない

 この場合は、経済的に豊かになることは相当難しいと考えた方がよいだろう。

2. 医者としてのやりがいを優先する場合→地域の中核病院

 やりがいはあり、技術はあがるが、一晩中寝られない当直業務や時間外拘束も続くと考えた方がよい。

 給料としては大学病院よりはマシだが、大企業のサラリーマン管理職に負けるレベル。

3. 医者としてはある程度のスキルをすでに身につけ(専門医レベル)、ある程度自分の自由な時間を確保しつつ、ほどほどに働きたい→私立の小〜中規模病院

 私はこの考え方です。給料は大企業のサラリーマン管理職くらいはもらえる。

4. 医者だけでなくビジネス、経営もやってみたい。より大金持ちを狙いたい→開業医

 開業医が飽和した時に勝ち抜けるかということと、健康を害した時のリスクが大幅に跳ね上がることに注意する。

私は3番の生き方ですが、正解はないので皆好きなように生きればいいと思う。

ある程度の自由が許されているのが医者の良いところだからね。

ただし、何も考えずに周囲に言われるがままのキャリアを選んでいる人は一度ゆっくり時間をとって考えてみたほうがよいと思う。

じゃないと、医局の言いなりになって人生おしまい。