読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

神経内科医ちゅり男のブログ

「自分が病まない程度にほどほどに」がモットーのゆるい神経内科医が日々の気づきを書いていきます。ただそれだけですが、よろしく。

大学病院だから良い医療が受けられる、とは限らない

医者の世界

権利意識の高い患者さんというのはどの病院にも必ずいる。

その最たるものが各地方の大学病院だと思う。

その病院の教授の外来にかかっていることを自慢話のように話している患者さんを時々見かける。

でも、教授の外来にかかっている=最高の医療を受けている、というわけでは必ずしもないと思う。

f:id:shinkei807:20170315222609j:plain

臨床力が優れているから教授になるわけではない 

教授は臨床医として優秀だから教授になるわけではないから。

論文実績や教育者としての実績は華々しくても、臨床医としての能力が必ずしも高いわけではない。(もちろん、臨床の能力も非常に高い方もいます)

むしろ、若手〜中堅くらいの熱心に診てもらえる先生の方が患者さんにとっては良かったりするわけ。

このあたりは一般の人は意外と分かっていないことなのかもしれない。

 

そもそも、大学病院よりも市中病院に入院したほうがよいケースもけっこうある。

例えば、脳卒中(脳梗塞や脳出血)は市中病院の方がより迅速な治療を受けられるケースは多い。

大学病院は神経難病とか脳腫瘍など、より専門的な領域に特化して力を入れていることも多いからだ。

また、組織が大きすぎるので、迅速に動くということが苦手だ。

少なくとも自分の経験では、脳血管障害で大学病院に入院したいとは思わない。むしろ、リハビリテーションが充実している病院に入院した方が幸せになれる気がする。

 

病院毎の特性を理解して、ニーズによって使い分ける柔軟性が必要

ただ、大学病院では最先端の検査や治療が受けられる、というのはおおむね間違っていないと思う。

やはり大学病院は設備面では市中病院を上回っていることが多い。

しかし、世の中の病気の大半は、特殊な設備がなくても診断・治療可能なものが増えてきているのも事実。

よほど頻度の低い難病、大学の設備でないと治療ができない病気の場合などに大学病院は利用するべきだろう。

 

最後に、医局というのは能力や態度に問題のある医者でもある程度やっていけるように、面倒をみてくれる組織だと思っていい。

だから、医局の庇護がなくなったらどこの病院でも雇ってもらえないような問題のある医者が大学病院にはゴロゴロいたりする。

もちろん優秀な医者も多いのだけれど、ダメ医者もけっこういる、そういうこと。

大学病院っていうのは医者の頭数が必要だから、優秀な人ばかりが集まるわけじゃないんだよね。

だから、大学病院で診てもらっているからひと安心っていうのは妄想にすぎないと思う。